2013年7月1日月曜日


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アッリアノス『アレクサンドロス大王東征記』第二巻三章

アレクサンドロスがゴルディオンに滞在した時、ゴルディアスの車と車の軛の鎖を見るために頂きの上に登りたいという欲望に捕らわれた。
その車について次のようなことが語られていた。フリギアにゴルディアスという貧しく、耕す僅かな土地と一対の牛をもった男がいた。彼が耕していると鷲が軛に止まって、まさにその場所に夕方までとどまっていた。預言者たちがめんどうなことに戸惑っている男に命じた。王であるゼウスに犠牲を捧げよと、そして大きな希望を吹き込んだ。ゼウスに犠牲を捧げるとミダースという名の息子が生まれた。
 ミダースが美しいおおらかな青年になったとき、フリギア人たちは紛争に圧迫されていて、彼らに託宣が授けられた:車が彼らに王を連れてくるだろう。彼が紛争を止めるだろう。
 彼らがまだこのことをめぐって論議をしていたとき、ミダースが父と母とともに車で集会に進んできた。さてアレクサンドロスがフリギア人に王に選ばれると紛争を止める。土着のものらが父の車を王である神ゼウスの奉納物として頂きの上で大事にした。
 この車については次のことが語られていた。軛の鎖をほどくものは誰であれ、アジアを支配すると。ところでこの鎖には始まりも終わりも現れていなかった。アレクサンドロスはこの鎖をほどこうと試みたが、できなかった。解かれざるものを置き去りにしたくなかったので、刀を抜くと鎖を両断して、そしてこれが解けたと宣言した。その夜に雷鳴と雷光が空から兆しとして起きた。そこでアレクサンドロスは翌日、兆しと鎖のときかたを明かした神々に犠牲を捧げた。



参考;
ウィキ ゴルディアース http://ja.wikipedia.org/wiki/ゴルディアース
     ゴルディアスの結び目 http://ja.wikipedia.org/wiki/ゴルディアスの結び目
     アレクサンドロス東征記    http://ja.wikipedia.org/wiki/アレクサンドロス東征記



Arrian, Anabasis Alexandri, translated by E.J. Chinnock (1893)
3. ALEXANDER AT GORDIUM. http://websfor.org/alexander/arrian/book2a.asp

1 件のコメント:

  1. 「アレクサンドロスがフリギア人に王に選ばれる」 選ばれたのはミダス。
    「解かれざるものを置き去りにしたくなかった」 (結び目を)解かないまま置き去りにしたくなかった。

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