2013年7月30日火曜日

109 p. ex 82


1.  あなたが欲しいものをあなたが手に入れますように。
2.  この男を将軍は送った、われわれが覇権をえるようにと。
3.  *われわれはクセノフォンを指導者にした、戦争の間かれがわれわれを指導するようにと。
4.  彼らは恐れていた、市民らから追放されないかと。
5.  **彼らは恐れていた、そんな目に遭うのではかと。
6.  ***それをわたしは恐れていた、私が十分な同盟者をもてなくなるのではと。
7.  私は彼らに尋ねた、なにを話しているのかと、いっぺんに私が自ら何かを知るために。
8. ****危険があった、何か悪いことをわれわれが自分たちから得るという。
9.  私は彼女を恐れた、なにか悪さを目論んでいるのではないかと。
10.  私は来た、あなたに有益な何かを忠告するために。

*「クセノフォンを指導者に」と直接目的語と補語として構文を解しました。現代の英語でmakeで可能な構文がここでも可能だと予測したのですが。

**Search for παθοιεν
 παθώνπάσχω, (paschó) -- to suffer, to be acted on


***それを恐れていた、のあとに
μηをとることが可能かどうか、また未確認。

****
απο
自分たち自身から、という文字通りの離脱の前置詞が
自ら、自発的に
という意味にとりました。

111 p. ex 84


1.  子よ、きみが成るように、父よりも幸福に、他の点では父に似て。
2.  *望むことはかなわないだろうが、それは(またそれで)有益なことだ。
3.  彼らには恐れがあった、金銭が自分らから奪われるという。
4.  医者たちは急ぐ、病が不治にならぬように。
5.  彼は立派である、もしもわれわれが優れた人々が名誉だと思うならば。一方で、他の者たちがすこしも罪があるわけではないのだが。
6.  父親にはなによりも気になる、こどもたちがどのように幸福であるかが。
7. アテーナイのディオゲネスは、そのようにふるまった、彼のことをギリシャ人の誰一人として恐れず、不正者たちをのぞいて皆が安心であるように。
8. ディオゲネスはある悪人に付きまとわれていた、そしてなにか悪いことをされるのを恐れていた。
9.  われわれは恐れていた、あなた方が信用出来ないのではと。
10.  わたしがそう言ったのは、双方に公平であろうとしてであった。

*希求法を願望文、願いと解するなら:

望むことが起こりませんよう、でも有益なことは起こりますよう。

 しかし、これでは祈願としては奇妙で辻褄が合わない気がする。文脈によっては可能かもしれないが不自然。確信はもてません。

113 p. ex 86


1. 黄金も権力も人々を幸福にはしない。
2.  真面目な人間であることとは、悪口を軽視することである。
3.  常に幸せな人生をもつことは不可能である。
4.  真面目な息子は父を喜ばせる、愚息は母にとって苦悩である。
5.  *真なることをつねに語ることが自由人の特性である。
6.  無学な力は害をなす。
7.  好学であれ、そうすればあなたは博学になるであろう。
8. 哲学者らは笑いを無学な民衆に提供する。
9.  なぜ君は黒い髪をもつか、他方では白い髭をもつのに。」
10.  高いオリンポスには不死身の神々がいた。

*真なるという形容詞の名詞化がありうるか未確認で疑問残る。それ以外の構文も可能なのかどうか。

114 p. ex 88


1.  彼らは恐れていた、敵どもがなにか悪いことをしないかと。
2.  市民みなが祖国を愛すればいいのだが。
3.  われわれが蛮人に勝てるならもう困らないだろう。
4. ギリシャ人が蛮人に勝つならけっこうであろう。
5. 君が要求することのうち何一つ私はしないだろう、もしそれが正しくないことなら。
6. もしきみがそれをするなら君に感謝するでしょう。
7.  将軍が目論見を明るみに出すなら、兵士たちはそれをするだろう。
8. もしきみがそんなことを言えば、よそさまの笑いを止めることができないだろう。
9.  もしわたしたちはこまったなら、友人たちがいるでしょう。
10.  わたしたちはもし武器をもたないなら、命を失うだろう。

116 p. ex 90/ No2 正解不明


1.  我々のやってきた都市の名前を彼らは言う。
2. *国家はソークラテースの耳を信じ、神々を信じない。
3.  嫉妬は悪い素質の印だ。
4.  飲み食いでは多くの者が友人だが、まじめなことでは少数の者が友人である。
5.  戦争は都市にたいして無数の悪の原因だが、他方では兵士たちには有益だ。
6.  短い時間の後に人間たちの生は終わる。
7.  昔の医者たちは書いていた。人生は短く、技術は長いと。
8. ああ、希望よ、あなたは長いがあまりにも短い。
9.  ナイル川は魚のすべての種を養う。
10.  友人たちはソークラテースに町の外に逃げるようにとむなしく要求した。

ソークラテースの
 という2格はこれではない
格?
 耳の4格でもない。
間違いが判明しましたがまだ正解を考えつきません。

2013年7月26日金曜日

119 p. ex 92


1.  彼らに従わないならば、彼らはその事を話す。
2.  光は憎む、すべて卑しいことを為すものを。
3.  苦痛を与える(悲しませる)ものはすべて人々にとって不快だ。
4.  休戦を破る先例は罪であるが、それを阻むことは罪ではない。
5.  しばしばアテーナイ人は戦争に関すること無経験な将軍を指名した。
6.  山頂に登ると彼らは海をながめた。
7.  敵たちは出帆した、何一つしないまま。
8. サラミスの海戦の後、ソフォクレスはまだ子どもであって、踊った。
9.  もしも、彼が具合の悪い人を見れば、この者を助けようと努めるでしょう。
10. 彼はソクラテースは罪があると言う。若者たちを堕落させたことで、また国家が信奉する神々を信じないが、新しい異なる神霊を信じることで。

121 p. ex 94 ソロン


1.  ディオゲネスはある悪人に褒められていった、わたしはだれか悪人にじゃまされないかとおそれる。
2.  追従者たちはちょうど詐欺師のように信用されて信用するものをひどい目にあわす。
3.  もしだれかが嘘をつくならば、人々を恐れながら神々さげすむことになるではないか。
4.  神々さえも喜ぶ人々に尊重されて。
5.  我々は男たちを覇権する、頂上を占拠せんとして。
6.  老人は身代金をもって来た、娘を自由にせんとして。
7.  ソロンは国家においていかに悪事が生じたかと問われて答えた。悪事をされたものが悪事をされたものとして憤慨したということ以外のなにごとでもない。
8. 若者らを教育するものが2つある。罪がある者の罰および善人に与える贈り物(報奨)。
9.  国家は住まいである、共通の考えをもちいる多くの人々の。

ει μη  =nisi をのぞいて
という記載を辞書で見つけたのであてはめて解釈してみました。
注1τι άλλο η ということ以外の何であろう、という意味と同じ意味になるという読みです。
このソロンの引用句はこれでいいのか、悩ましいですが、とりあえずの解答。よりよい解答のある方お願いします。

123 p. ex 96


1.  なにが土をもたらすのかに無知であれば、なにを蒔かねばならぬか、全く知ることができない。
2.  親を養わないこと、または食べ物を与えないことは、不名誉ということがアテーナイ人たちの法である。
3.  私の知らぬことを、私は知っているとは思いもしない。
4.  アテーナー女神はオデュッセウスにすべての導きと危険において同盟者であり、忠告者でもあった。
5.  この種の牛たちは人間にとってどんなことにも役に立つ。
6.  アキッレウスの武器をめぐるアイアースとオデュッセウスの争いを知らないのか?
7.  遅く昼の間に船々が港にやってきた。嵐がおそろしいからだ。
8. 陶工は陶工をねたむ。そした王たちは統治する。
9.  騎士は馬を養う、馬は騎士を運ぶ。
10. インド人たちのところでは、ある種の神官たちは区別する、牧人、農夫、職人の種を。

2013年7月24日水曜日

126 p. ex 98


1.  *われわれは皆、忠告によれば賢いというが、一方われわれ自身間違いながら、知らない(気づかない)のである。
2.  人間たちに尊重されるが、愛されないことを、神々は喜ばない。
3.  勇者は逃げることを恥じる。卑怯者は逃げつつも恥じることがない。
4.  プラトーンはアクラガースの人々が金をかけて家を建て、贅沢に食事をしているのをみて、彼らに言った。いつも生活しながら家を建て、明日には死ぬ身として、食事をするがよいと。
5.  アテナーイ人は後になって後悔した。ソクラテースを断罪したことを。
6.  両親のいうことに従って、その娘は役者と結婚する。
7.  平和を導けばいいのならば、誰一人戦争を選ばないだろう。
8. 魂を離れて身体が倒れるように、このように法がないと国家さえも倒れる。
9.  昼の間中、彼らはそれを言い止めなかった。

*忠告によれば
 と訳しました。
εἰςという語が本書の前置詞の課ででてきた用例、巻末の語彙をみるかぎりでは、中にという第一義的な意味しかのっていないため、直訳では、意味をなしません。希仏の辞書によると従えば、という意味がありました。
 しかしこれでもすっきり意味がとおったかどうか、自信ありません。構文的にはこれでいいとは思いますが。
 不定詞に中性単数の冠詞をつける名詞としての用法ですが、こうした意味で使われる例文を確認してみないとなぜ、普通に忠告という名詞を使用しないのか、不可思議のままです。

127 p. § 493 オイディプース



 その後、オイディプースは、長い間テーバイをもっとも幸運に統治した。しかし、多年の後、怖ろしい災いが生じて、国を重く圧迫した。非常に多くの市民が死んで、王は、当時預言者のなかで最も著名なテイレシアースを呼び寄せた。そして災いの原因を明らかにするよう命じた。すると賢者は言った、オイディプースがすべての悪いことの原因であると。父を殺し、母をめとったのであるから。そのときに、イオカステーは、近くでオイディプースのいうことを聞いて、自ら首をくくって死ぬ。
オイディプースは神々の神託は、むなしい偽りではまったくないことを遅まきに知って、両目をえぐった。不幸になり、故国を出て、相続権を奪われて、アンチゴーネをいっしょに復讐の女神たちの神域、アッティカのコロノスにへ逃げる。そこでテセウスは盲目の嘆願者を親切に受け入れた。
その場所でわずかの後、老人はあらゆる種の受難と苦痛に弱められて、亡くなる。


130 p. ex 100



1. 海辺の生活の方が町の生活より楽しくないかどうか。
2.  なんと水は甘いことか。しかし神々には葡萄酒の方が甘い。
3.  追従者は友よりもより甘く、恥ずべきことを言う。
4.  知恵の財産は、より貴重ではない。
5.   蜜蜂は、苦い花、ざらざらした棘のなかにもっとも甘い蜜を発見する。
6.  夕方に家々はより長い影をもつ。
7.  男性は女性よりもなんと低い声をもつことか。
8. 人々のなかで最も無能なものがねたみ深い。
9.  魚よりも静か、カラスよりも黒い。
10. スパルタ王は、友人にとってもっとも穏やかでも、敵にとっては最も怖ろしかった。

132 p. ex 102


1.  *子よ、あなたは父よりもより幸せになっていただろうに、そして他の事情も同様でより幸運であったろうし、あなたの評判も悪くなかっただろう。
2.  船が一つもないのだから、わたしたちはいかにしてそれをなし得るか?
3.  誰が教育を受けることを選ばなかっただろうか、一生を無教育のまま終えるかわりに。
4.  どうしてそれが起きたかよく知っているけれども、あなたにはいわない。
5.  私を置いて行かないでください、神々にかけてお願いだから。私はとどまりたくないのです。
6.  「ああ、どうか父が見ないように!」
 「だが、あなたは父の目を免れないだろう」
7.  多くのなんらかの幸福が若者たちのまわりにはあるだろう、もし一人が自らを堕落させても、他人が助けるならば。
8. 私は望む、しかし反対がおきないかと恐れる。
9.  ライオンは、一頭しか産まないことを狐から非難されて、言った。一頭だが、ライオンである。



μοιος   巻末の語彙集には
に似た、同じような
 とのっていることを手がかりにしようとして
与格に相当する語をさがすとまったくありません。
 バイイの希仏辞書
に三格をとらない、副詞としての用法がのっています。同様にと、訳しました。
   冠詞の中性複数形については、 172 p.
 ακουω κακοσ  評判が悪いという成句。

2013年7月23日火曜日

134 p. ex 104


1.  徳は名声や名誉よりも美しい。
2.  若者は老人よりも美しい希望をもつ。
3.  人々はいう、娘たちは母親より容姿において美しいと。
4.  敵たちは多数いる、彼らに勝つならば、名誉は自分たちにとってそれだけより大きくなるだろうから。
5. 悪徳は内乱よりも国家にとって大きなものではない。
6.  ソクラテースはすべての快楽よりも良い、ところで多くの者たちは快楽よりも悪い。
7.  しばしば貧乏はよりよい人間をつくる。
8. 善人よりも悪人はときにより幸福である。
9.  足は速い、風はより速い、精神は最も速い。
10.時間よりも良い相談相手は一つもない。

136 p. ex 106


1.   哲学者が統治するか、王が哲学するかしないかぎり、悪人どもの止むことは国家にはない。
2.  カイレフォンは激しかったと、誰であれ急ぐものは言った。
3.  もしハエかブヨが蜘蛛の巣に陥れば、蜘蛛は放さない。
4.  すべてのことばはもし事物が存在しないならば、むなしく思われる。
5.  のどが渇いていなければ飲んでいなかったため、ソークラテースにはすべての飲み物が甘かった。
6.  もし若者が苦労すれば、老年はさかんになる。
7.  もしも精神がなければ、学問もまったくない。
8. 善人は幸福である、大きくて強くても、小さく弱くても。
9.  そんなことをする人は誰であれ、死に値する思われる。
10. 手であれ、足であれミダスが触れたものはなんであれ黄金になった。

2013年7月20日土曜日

138 p. ex 108


1.  こんな国家こそよく治められている、そこにおいて有益な者たちが尊重されている。
2.  本当に、そのときには誰かがわたしを裁判所に当然、訴えるだろう。
3.  すべての人々はしあわせになることをのぞんでいる。
4. 、ゆっくりと急がれよ。(事物は)よりゆっくり進められると、より速く進むものだ。
5.  アリストテレスはいう、感謝は速く年をとるものだと。
6.  他人の過失は自分のものよりも容易に目につく。
7.  自分の危険よりもあなた方の名誉をより過小にしか気にかけていないわけではない。
8. 以前よりもより安全に、より危険なく私たちは海を渡る。

139 p. § 530 イソップ


猿が踊る

あるエジプトの王様が猿に踊ることを教えた。けものらは、もっとも熱心に人間をものまねするので、たちまち学んで、上着とマスクをつけて、見事に踊った。
長い間この猿たちは好評を博していた。
最後にユーモアのある見物人がふところにクルミをもっていて、猿たちのさなかに放った。すると猿たちはそれを見て、踊りを止めてしまった。踊り手のかわりに猿にかえって、上着もマスクも脱ぎ捨てて、クルミのまわりで互いに争った。

141 p. ex 110


1.  さらば友よ、わたしに手紙をひんぱんに書いてください。
2.  正しくあれ、双方どちらにも。
3.  つねに真実を追え、子よ、避けよ、悪い快楽を。
4.  これに賛成する者は手をあげよ。
5.  聞いてください、わたしはあなたに優美な言葉をいいたい。
6.  さあ、とどまってくれ、そしてそのとおりにやってくれ。
7.  すこしの間わたしを待ってくれ。
8. 自由に仕えよ、そうすれば奴隷でなくなるだろう。


142 p. ex 112


1.  神々を恐れよ、法に従え。
2.  彼らにただちに三段ぎょう船を用意させよ。
3.  誰であれあなたの家族に会いたいと欲するものは、よい人であることを銘記すべきだ。
4.  誰であれ生きることを欲するものは、勝つことをこころみないといけない。
5.  私と一緒に来給え、村は遠くではないから。

143 p. § 548 ユークリッド


 ユークリッドの幾何学原理 第一巻 定理18

任意の三角形において、より長い辺がより大きな角に対する。
辺ABより長い辺ACをもつ三角形があると仮定しよう。
私はいう、角ABCもまた、角BCAよりも大きいと。
 
 辺ACが、辺ABよりも長いときに、辺ADと辺ABとを等しく置こう。そして、辺BDが結ばれるとする。
* 角ADBは、三角形 BCDの外角であるから、内角かつ対角である角 DCBよりも大きい。
しかるに、角ADBは、角ABDに等しい。辺ABもまた、辺ADに等しいから。
ゆえに、角ABDもまた角ACBよりも大きい。
 よって、角ABCもまた、角ACBよりもはるかに大きい。
 任意の三角形において、より長い辺がより大きな角に対する。
 このことが証明されねばならぬことであった。
 三角形の性質など忘れてしまっているので、この箇所だけが自明ではなかった。
 上の外角の定理という説明をみると、理解できた。
 外角は三角形の二つの内角の和に等しいから、二つのうちの一つの角度よりも当然大きいことになる。
 もうひとつの説明のページ。三角形の内角と外角

 の末尾に原論のテキストへのリンクがあります。
 ギリシャ語、ラテン語訳、英訳。
英語版のリンクの方が多数あるので注意。
 ギリシャ語原文と上記Richard Fitzpatrick 訳英訳の対訳版PDFがダウンロードできます。Proposition 18が本問に相当します。
この英訳を参考にしました。

 Proposition 18
In any triangle, the greater side subtends the greater angle.
For let ABC be a triangle having side AC greater than AB. I say that angle ABC is also greater than BCA.
For since AC is greater than AB, let AD be made equal to AB [Prop. 1.3], and let BD have been joined.
And since angle ADB is external to triangle BCD, it is greater than the internal and opposite (angle) DCB [Prop. 1.16]. But ADB (is) equal to ABD, since side AB is also equal to side AD [Prop. 1.5]. Thus, ABD is also greater than ACB. Thus, ABC is much greater than ACB.
Thus, in any triangle, the greater side subtends the greater angle. (Which is) the very thing it was required to show.

Heath's English translation (HTML, without the figures, public domain) (accessed February 4, 2010)
Proposition 18.

In any triangle the greater side subtends the greater angle.


For let ABC be a triangle having the side AC greater than AB;
I say that the angle ABC is also greater than the angle BCA.
For, since AC is greater than AB, let AD be made equal to AB [I. 3], and let BD bejoined.
Then, since the angle ADB is an exterior angle of the triangle BCD,
it is greater than the interior and opposite angle DCB. [I. 16]
But the angle ADB is equal to the angle ABD,
since the side AB is equal to AD; therefore the angle ABD is also greater than the angle ACB; therefore the angle ABC is much greater than the angle ACB.
Therefore etc.

Q. E. D.

 英語版ウィキに一番最初にのっているリンクのこのジョイス訳には
ガイドという説明までのっていて、ギリシャ語の訳の異同の説明まであって親切。
Euclid (David E. Joyce, ed. 1997) [c. 300 BC]. Elements. Retrieved 2006-08-30. In HTML with Java-based interactive figures.

In any triangle the angle opposite the greater side is greater.
Let ABC be a triangle having the side AC greater than AB.
I say that the angle ABC is also greater than the angle BCA.
Since AC is greater than AB, make AD equal to AB, and join BD.
I.3 
Since the angle ADB is an exterior angle of the triangle BCD, therefore it is greater than the interior and opposite angle DCB.
But the angle ADB equals the angle ABD, since the side AB equals AD, therefore the angle ABD is also greater than the angle ACB. Therefore the angle ABC is much greater than the angle ACB.
Therefore in any triangle the angle opposite the greater side is greater.

最後に日本語訳はないかとググってみました。
解説が見つかりました。

euc-elements.matrix.jp/


大阪高等学校数学教育会 研究セミナーに発表した ユークリッド原論をどう読むか」を WEBページとしたものである。 原論を逐条解説したもの

そうすれば
 ADBが
 三角形BCDの外角である
から、
 内対角DCBより大きい



  この箇所に説明があり、
命題1ー16(外角と内対角)
による。
 とある。
ちゃんと原論に該当する説明がのっていたのだった:

「 すべての三角形において
 の一つが延長される
とき、
 外角
 内対角のいずれよりも大きい




145 p. ex 114


1.  では、彼らに質問しなさい、なにゆえにこんな時刻に彼らは来たかと。
2.  不正な戦いをあなた方は戦わないでほしい。
3.  私たちはより速く行く、他のものらが私たちに先んじて勝利を報告しないように。
4.  それを最も速くしてしまいなさい、子どもたちよ。
5.  その男たちによくしてあげなさい、彼らがあなたたちに友好的であるように。
6.  つとめよ、私たちに最善を忠告するように。
7.  あなた方はそんなことをしようと欲するな。(そんなことをすれば)彼は正しくなくなるから、男どもよ。
8. 私に示しなさい、彼が言おうとしていることを。
9.  その男が私のところへきたとき、わたしは旅で不在だった。
10.  おまえはそんなことを私にして、知られずにはすまないだろう。

146 p. ex 116


1.  ソクラテスは若者にきいた、いったい節度とはなにかと。
2.  将軍は兵士らにきいた、敵は何をしているかと。
3.  兵士らは言った、敵は武器をもって今や出撃すると。
4.  彼が何をするか、彼は言わなかった。
5.  * ει αληθές η μη ελεγες πειρασομαι μαθειν.
6.  ヘラクレスは一つは快楽の、他方は徳の二つの道を見て、どちらを進むのが良いのか、戸惑った。
7.  私は言った、ギリシャ人の方が蛮人よりも身体に関しては美しいと。
8. 私は尋ねた、敵たちはいつ出帆したか。
9.  さて彼は黙った、何をいっていいか惑って。
10. 彼らは言った、若者たちはは勇者でありながら逃げることを恥じる。

*  どなたか理解できる方教えてください。いまの時点ではわかりません。
η μη ελεγες

という部分の語句が辞書で表現がみつかりません。

2013年7月16日火曜日

148 p. ex 118


1.  私は神々が存在するとは考えない。
2.  *こんなことを知らないのだから、私は自分が知らない(無知な)のだと考える。
3. 私はいまだこの国でこれよりも大きな善が私たちに起きたことを知らない。
4.  **一方で彼は知らないで、何を知るべきかを考え、他方で、私はといえば知っているとは思わない、それはまったく知らないのと同じことだ。
5.  私は見る、戦争が多くの禍のもととなったことを。
6.  正確に考察すれば、あなたは多くの独裁者たちが友であるように最もみえる者たちによって殺されたことを発見するだろう。
7.  彼が人生の目的に到れればよいのだが、私たちがむなしく人生を生きてしまったと自覚しないように。
8. もしもあなたが真面目だったなら、追従者らを信じなかったのだが、と私は言った。
9.  彼は言った、もし我々が光をもたなかったなら、我々は盲人に似る。
10.  ソクラテスは言った、もしも害を加えるか、加えられるかが避けられないなら、むしろ害を加えられることを選んだだろうと。

*分詞構文の後のつながりがこれでは破格になってしまうので、腑に落ちないのですが
英語でいえば
Not knowing thus and I consider I don't know.
Not knowing this, so I consider myself ignorant.
Without knowing this -.
 こなれたつながりにしようとしても、やはり分詞構文がこのままでは英語などでは破格扱いは免れないように思いますが、ギリシャ語ではこうした分詞構文の用法まで可能かどうか。
 分詞構文+ και
で用例が見つかれば安心できるのですが。。
 あるいは自分の分詞構文の解釈による構文理解は間違った線なのでしょうか?

2013年7月14日日曜日

151 p. ex 120


1.  故に、徳は汝によって教えられうることであると思われる。
2.  敵達は出帆した、無為のままに。
3.  もしあなたが友人らに好かれたいなら、友人に親切を示す(である)べきである。
4.  もし彼(?)が身体が良好でありたいなら、苦労と汗とともに身体を訓練せねばならぬ。
5.  知恵は汝に愛されるべきだ。
6.  いかにして彼らがひそかに免れないか警戒せねばならぬ。
7.  我々はより善きものにしたがわねばならぬ、神であれ人であれ。
8. いかにして魂が最善になれるか、魂を気遣わねばならぬ。
9.  美しい名前の方が富んだ国よりも望ましい。
10.  (主観的に)哲学をされるべきにせよ、哲学をされないべきにせよ、哲学がされなくてはならない。
しかるに(客観的に)哲学をすべきか、哲学をしないべきか?
さればやはり哲学がされるべきである。

 わかりにくい問題ですが、この課の学習事項である
動詞的形容詞の非人称的用法と人称的用法の区別が要点になっていると解釈しました。次の課154ページででてくる否定詞で、
μη
が主観的な否定とされているので
 最初の句は主観的、すなわち人称的動詞的形容詞として解すると、受動態になります。
次に出てくる否定詞が
ου
なので今度は動詞的形容詞の非人称的用法、能動態。

 主観から客観へと判断を移して、結論を出すという理屈の流れがいまひとつわかったようなわからないようなけむにまかれたような文になってしまいますが、いずれにしろ文章の構成からして、もともとレトリック的な文みたいなので、これ以上、明快にできるかどうかわかりません。 
 池田『古典ギリシア語入門』109ページ動形容詞の項目参考。
ここに動形容詞の受動態能動態という区別がされていたのをみて、解釈してみたのですが。間違ってるかもしれません、正解を教えていただきたいです。

153 p. ex 122


1.  私は思う、もし彼らが包囲されなかったなら、スパルタ人たちはペルシャ人たちに打ち負かされなかったと。
2.  もしパリスがヘレナを略奪しなければ、ギリシャ人とトローイアー人の戦争は起きなかったと、正当にも誰かがいうかもしれない。
3.  もしせめてほどほどに裁判官らにへつらっていたら、ソクラテスは容易に逃れたことを我々は知っている。
4.  私はよろこんで彼の言葉を聞くとは思わない。
5.  ソクラテスはいった、一方で彼らはたべるために生きるが、自身は生きるためにたべると。
6.  誰かがクセノフォンに伝えた、もし彼が侵入すれば、捕らえられると。
7.  あなたはその男を最も多くの賞賛に値すると考えるのか?彼は人よりも先んじて敵をひどい目にあわすが、一方で友人に親切を示すような男を。
8. 彼はいった、あなたからはすすんで報酬を奪わないと。
9.   彼はいった、あなたはどこにもあれよりも良い物を一つもみつけないでしょうと。

2013年7月12日金曜日

156 p. ex 124


1.  徳という財産は最も褒めるべきものでも、最も確かなものですらない。
2.  誰も苦労と勉強なしには進まず、神がなければ成長すらしない。
3.  もしあなたが意見をもつなら、いかなるときにも誰一人にも発表するな。
4.  決してあなたはひっそりと恥ずべきことをしようなどと望むなかれ。
5. * 万人の誰も私たちが入るのを大目に見ない者はないだろう。
6.  **彼でさえもあなたの目を逃れないようにせよ。
7.  それらに関しては、どの点についてもわたしはいまだに一つも明確にきいていない。
8. 彼は船長たちに禁じた、兵士たちを渡らせることを。
9.  彼は私が真実を言うことをとやかく言わない。
10. いかにあえて我々は否定するのか、美が美であることを?

ουδεις
be動詞が略されたThere is no one
と解釈しました。

** λανθάνω 
211p. 3. single, Imperative
τοῦτοを三人称の命令形の主語と解釈しました。

2013年7月11日木曜日

158 p. ex 126


1.  キリストは人間たちに法をつくった、互いを愛するという。
2.  われわれに美しい見本を最重要視する、若者らに対して、功名心を徳へと鼓舞するために。
3.  *夜間に敵があなた方を攻撃しないように警戒せよ。
4.  自己の利益を公共の安全よりも優先する者は、当然万人から嫌われるだろう。
5.  よいものから悪いものをつくるのは、悪いものからすぐれたものをつくるより容易である。
6.  **よいもののなかから、最後の富をつくりなさい。
7.  ただ現在あるものに加えるのみならず、出費の一部を減らすことで、最大の金持ちは生まれる。
8. 食事でどんなおかずをあなたは供するのですか。
9.  ***そこにおいて各自が体力および勇気を公にする競技を、こどもたちに***
10.  ソクラテスはいった、法は書かれざるものである、 それを人間はつくらなかったが、私は神々がそれを人間のためにつくったと信じる。

επιθωνται = επιτιθημι 攻撃する、襲う。244p. sb.pl.3. (接続法、三人称複数)
** 意味がいまひとつすっきり通った気がしませんが、文字通りだとこうなります。聖書かなにかの一節なのでしょうか?
*** προθετέον 
これはお手上げです。
προτιθημι
あたりが接続法で近い活用形がありそうだがτιθημιθετέονという活用形が見つからない。
どなたかご教示していただけるとよいのですが。

2013年7月9日火曜日

159 p. ex 128




1. 悪いものの代わりに悪いものを誰にもわたすな。
2. 自然は不運の中でわれわれに涙において(よって)なぐさみを与える。
3. **乞食にすぐ与えよ、彼が明日また欲しいと言わないように。
4. (それは)刃物をきちがいに、そして悪者に権力を与えてしまったことに似ている。
5. 法を破る者は罰せられるべし。
6. それぞれの日の間に、われわれに無数の善きものが与えられる。
7. 善意と共に与えられるものは、最大のものである。
8. 罪人が罰せられても国家は救わない。
9. ***ある人が持っていないもの、その人はそれを他の人に与えない(与えられない)。
10. オリンピアでは勝利した者にオリーブの冠が与えられていた。

τα δακρυα - n. pl. ac. παραμυθιαν   - f. ac. と解釈できるのものの、与えるという動詞の目的語が二つになってしまうので困ってしまいます。同格について現代語のように用法があったのかどうか確かめようがないので同格として正しいのかわかりません。巻末の体格の用法のなかに(170 p.)関係また限定を示す体格というのがあるので、涙において、と解釈してみました。
**και μη = μηδε そしてでない、でもない、でさえもない。と高津春繁『基礎ギリシア語文法』巻末の語彙にのっていました。しかしこれをあてはめても文意がすっきりと通りません。μηと接続法で目的を示していると解して意味をとるのがいいとは思うのですが。
***この文も文脈なしで解するのが難しいですが、たぶんこれで正しい解釈になるはず。

2013年7月7日日曜日

161 p, ex 130


161 p, ex 130

1. ギリシャ人たちは勝利記念碑を立てて撤収した。
2. アリストゴラースはイオニア人らを説得した、ペルシア王から離反するようにと。
3. 支配権に据えられたものの多くの者は、非支配者のなかで傲慢にふるまう。
4. 不運は人々をより思慮深くする。
5. テーバイ人はスパルタ人を征服してギリシャ人の覇権を据えた(樹立した)。
6. アテーナイ人は謀反したナクソス人と戦った
7. 将軍はイオーニアーの都市に民主制を樹立した。
8. 動物たちのうち人間のみを神は垂直に据えた。
9. スパルタ人の国政だけが500年間変えられなかった。

2013年7月6日土曜日

163 p, ex 132


163 p, ex 132

1. 徳を指し示すことは難しい、見本を用いないならば。
2. 時のみが正しい人を示す。
3. 水によって火は消される。
4. 怒っていては、人は何事もよく知ることができない。
5. もしわたしがなにか誤ったら、許せ。
6. イエスは山にのぼった、祈りながら。
7. 召使のうちの一人が夜間逃げた。
8. 汝自身を知れ。
9. その人生においては快楽は苦悩に混じっている。
10. 汝の意見を示せ。

2013年7月4日木曜日

164p. ex. 134


164p. ex. 134 

1. それをわたしが立てた、みながら。
2. アレクサンドロスはテーバイ人の都を掌握すると、ピンダロスの家だけを立っていることを許した。
3. より以前にあなたが誰だったかではなく、今あなたが誰なのかを語れ。
4. 全員が知っている、将軍が命ずるところへゆかねばならぬことを。
5. 魂はその場に居るのでもなく、離れているのでもなく、見ている。
6. ある者は、哲学者とまじわることによってよりよく離れる。
7. 敵に向かって攻撃しようではないか。
8. 私はすくなくとも、親しい友人ととともに火の中でもゆくでしょう。
9. 悪者らが不正の道をゆくときに、彼らとともに進んではならない。
10. 出発しましょう、というのもすでに出発する時だから。

165p. ex. 136


165p. ex. 136 

1. 動物たちは各自それぞれ声(ことば)を発する
2.  あなたは私の言っていることを理解しているが、彼らは理解していないし、理解もしないであろう。
3.  アテーナイ人は一方で自発的にスパルタ人に陸上沿いには覇権を黙認していたが、他方で彼ら自身は制海権に固執していた。
4.  自明なことは放って、彼は不明なことを追っていた。
5.  メソポタミア地方はユーフラテス川とチグリス川の間に横たわっていることから名付けられる。
6. 自身で害を加えるのでもなく、他人に害を加えることを放置したわけでもない。
7. スパルタ人は臆病者には最もつらい罰が定められていた。
8. 馬車の上に座ってキュロスは行軍をしていた。
9. 弓と同様にそのように、魂もまたあるときは張りあるときは緩めねばならない。
10. 外国人よ、スパルタ人らに伝えよ、
ここに私たちは彼らのいうことに従ったために横たわっていると。

* 注にもあるようにこれはシモニデースの非常に有名な碑文でググるといろいろでてきます

石碑の写真

この問題では、「伝えよ」にあたる

ἀγγέλλειν

こちらの実際に石碑に刻まれている文にもつかわれている形で
不定法が命令の用法で使われていると理解していいと思うのですが、
なぜ練習問題では

ἀγγειλλον
 
 という形になっているのかわかりませんでした。ネットでもどこかで -ειλλον という形も確かに散見されましたので練習問題の文章はその系統と一致しているわけで二つの形がなぜか存在することになります。こちらの方は文法的にも自分にはわかりません。どなたか御存知であったらご教示していただけるとありがたいです。

2013年7月1日月曜日


166p. §624 

アッリアノス『アレクサンドロス大王東征記』第二巻三章

アレクサンドロスがゴルディオンに滞在した時、ゴルディアスの車と車の軛の鎖を見るために頂きの上に登りたいという欲望に捕らわれた。
その車について次のようなことが語られていた。フリギアにゴルディアスという貧しく、耕す僅かな土地と一対の牛をもった男がいた。彼が耕していると鷲が軛に止まって、まさにその場所に夕方までとどまっていた。預言者たちがめんどうなことに戸惑っている男に命じた。王であるゼウスに犠牲を捧げよと、そして大きな希望を吹き込んだ。ゼウスに犠牲を捧げるとミダースという名の息子が生まれた。
 ミダースが美しいおおらかな青年になったとき、フリギア人たちは紛争に圧迫されていて、彼らに託宣が授けられた:車が彼らに王を連れてくるだろう。彼が紛争を止めるだろう。
 彼らがまだこのことをめぐって論議をしていたとき、ミダースが父と母とともに車で集会に進んできた。さてアレクサンドロスがフリギア人に王に選ばれると紛争を止める。土着のものらが父の車を王である神ゼウスの奉納物として頂きの上で大事にした。
 この車については次のことが語られていた。軛の鎖をほどくものは誰であれ、アジアを支配すると。ところでこの鎖には始まりも終わりも現れていなかった。アレクサンドロスはこの鎖をほどこうと試みたが、できなかった。解かれざるものを置き去りにしたくなかったので、刀を抜くと鎖を両断して、そしてこれが解けたと宣言した。その夜に雷鳴と雷光が空から兆しとして起きた。そこでアレクサンドロスは翌日、兆しと鎖のときかたを明かした神々に犠牲を捧げた。



参考;
ウィキ ゴルディアース http://ja.wikipedia.org/wiki/ゴルディアース
     ゴルディアスの結び目 http://ja.wikipedia.org/wiki/ゴルディアスの結び目
     アレクサンドロス東征記    http://ja.wikipedia.org/wiki/アレクサンドロス東征記



Arrian, Anabasis Alexandri, translated by E.J. Chinnock (1893)
3. ALEXANDER AT GORDIUM. http://websfor.org/alexander/arrian/book2a.asp